モルタル壁の欠点は何といっても割れてしまうことで、日本は地震が多い国ということもあって、特に構造的にもろい部分にクラックが発生している家を良く見ます。
しかし、割れてしまったからといって何もしなければ、そこから雨水が侵食してさらに外壁にダメージが及びます。
日本家屋は木造であることが多く、雨などの湿気にさらされることで強度や状態を悪くしてしまうのです!
今回はモルタル壁の修復方法を簡単に見た後に、モルタル壁劣化の状態について詳しくお話ししていきます。
モルタル壁の補修方法
モルタル壁は劣化や損傷の度合いで、DIYで出来る場合と業者に頼まなければならない場合で分かれます。
一概にモルタル壁の劣化について基準をいうことは難しいですが、モルタル壁のひび割れ状況には2つの進度があります。
こちらでは簡単に説明ということで、業者に頼まなければいけないクラックを見てみます。
この画像は修復後のものですが、大きくひび割れてしまっているのが分かりますか?
これと異なりただひび割れの線が入るような割れであればDIYでもできます。
しかしながら、画像のように割れてしまってずれてしまうようなクラックでは、自分で修復するのは難しいのです。
まずは、モルタル壁のクラック程度による違いで、自分でDIYで修理するのか、業者に依頼するのかを決めることが良いでしょう。
また、下の写真のようにモルタル壁が浮いてしまってはがれているような場合には業者に依頼するほかありません。
DIYで出来る場合
モルタル壁の割れが小さい場合には自分で補修することができます。
ただし、モルタル壁の修理というものはできず、実際には補修程度できません。
モルタル壁を根本的な修理をするならば壁を壊して作り直すぐらいしか方法がありません。
しかしながら、自分でDIYで補修する場合でも美観を損ねる以外にはモルタル壁の機能を回復させることができます。
ということでDIYでは、モルタル壁の割れに対してそれを埋めるぐらいのことしかできませんから、次の2つの道具を使って補修します。
- 住宅用の防水スプレー
- 充填剤(コーキング)

本格的なモルタル防水材
これらはホームセンターで売られていて、5000円あればおつりがくるほどの値段でモルタル壁の補修が可能です。
注意点として、モルタル壁クラックの補修前にその部分をできる限りきれいにすること、水などの乾燥を待ってから使用することが大切です。
簡単なモルタルのひび割れならばこれでDIYできますが、それ以上のひび割れになれば本格的な補修が必要になります。
日曜大工が得意な方は別として、普通の人がモルタルの補修材を利用して左官作業をするのは少し技術的に難しいでしょう。
少なくとも次にあげる画像を見て出来そうと思わないならば、業者に任せてしまったほうが無難であり、無理に自分で行う必要はありません。
また、高所などは危険なので業者に頼んだほうが正直無難です。

高所では常に危険が伴います
修理の技術以外にもそういったリスクをとってくれるからこそ、お金を払う価値がありますので、一番大きなリスクであるケガなどを賭けるようなことはしないでください。
業者に頼む場合
モルタル壁の修理を業者に頼む場合には、自分で修理できないようなクラックであったり、浮き剥がれなど、ちょっと埋めたりして補修できない場合は業者に補修を依頼してください。
流れとしては、クラック割れに関してはサンダーという削り落とす機械で落としてからプライマーという材料で埋めて、そこからさらにコーキング材を充填したあとに、外壁を塗って完成します。

サンダーとも呼ばれるグラインダーという機器
また、モルタル壁の浮きや剥がれについてはいったんはがして付け直すという大掛かりになる場合が多いため、外壁塗装と同時に依頼する方も多いです。
これをみてわかるようにクラック割れについては根本的な解決ではなく結局は補修の延長線上でしかありませんが、そのまま放っておくこともできませんから、できる限り早く業者に補修を依頼したいところです。
もちろん早期依頼については浮きや剥がれについても同様であり、深刻度でいえば浮きや剥がれのほうが危険な場合もありますので、それらを見つけた場合には簡単な診断をして修理の依頼をしてください。
モルタル壁の劣化症状を確認!
ここまでは簡単にモルタル壁の補修についてお話ししてきましたが、修理するとしてもどういった状況で修理を依頼すればよいのか分かりませんよね。
こちらでは、モルタル壁の劣化状態を確認します。
ひび割れの程度
モルタル壁のクラックについては、ひび割れの程度によって2つに分かれます。
名前 | 画像 | 特徴 |
ヘアクラック | ![]() | ヘアクラックとは、幅0.3㎜以下、深さ4㎜以下のひび割れを言います。今すぐ構造部分に雨水の浸水を心配することはありませんが、いずれは補修しなければいけません。 |
構造クラック | ![]() | 構造クラックとは、幅0.3㎜以上、深さ5㎜以上のひび割れを言います。構造部分に雨水の浸水によってさびなどが発生するため、早急に補修を講じる必要があります。 |
モルタル壁のひび割れについて比べるとわかるのが、幅の大きさもさることながら、それよりも深さが建物へのダメージで深刻な影響を与えます。
ひび割れ幅が大きいなら当然ひび割れの深さも伴うのですが、実際にはわからない場合も多いです。
つまり、本当に軽微なひび割れを除けば、業者に診断してもらうほうが無難であることが分かります。
チョーキング現象
チョーキング現象とは、外壁塗装の塗膜がなくなって成分が出てしまっていて、外壁を触るとチョークの粉が付くような状態になる現象のことです。
チョーキング現象が確認できれば、塗料の耐用年数である場合が多く、外壁塗装をしなければいけない時期となります。
なお、このまま放っておくと当然外壁本体部分へのダメージとなるため、放っておくことは家の資産価値を下げるばかりでなく、外壁の張り替えなど必要になるほど手遅れになることがありますので要注意です。
コケや藻
モルタル壁にコケや藻(も)が付いてしまう場合、これかこれで味があるといえなくもないのですが、コケには根酸という酸性物質を放出します。
外壁はアルカリ性であることから酸性物質によって中性化、または内部に金属がある場合にはこれを錆びさせてひび割れを誘発させますので、早急にとらなければいけません。
掃除には高圧洗浄機のバイオ洗浄での除去が効果的ですが、一般に人がメンテナンスする場合には、外壁にダメージが及ばない洗剤を使ってとるのが一般的です。
他の損傷個所などを考えてリフォーム業者を呼ぶ都合がついたときに相談してみるのもよいでしょう。
浮きや剥がれ
モルタル壁の塗膜が低下した場合や、内部に水などがたまったことで、浮きや剥がれが発生した場合には、早急な対策が必要です。
というのもひび割れなどと違い直接深く浸水するわけではありませんが、内部に水がたまることで内部でカビなどを発生させてしまうからです。
また、浮きがあるということは何かしらの別要因が発生していると考えたほうが良く、浮きを発見した場合にはすぐに業者に診断してもらうようにしてください。
雨だれ
雨だれがすぐにモルタル壁へ悪い影響を及ばすわけではありませんが、外観が悪くなりますので、これを気にする人は少なくありません。
特にモルタル壁は白系の色が多いので、気になってしまうことも多いですね。
根本的な解決としては汚れなどが付着しにくい低汚染塗料で保護することで解決する場合があります。
逆にこれをしても解決しない場合には、雨だれの発生源から根本的に解決する必要があります。
モルタル壁の補修を業者に頼んだ場合の費用
モルタル壁の補修を業者に頼んだ場合には、現在の劣化状況によって何をするか変わってきます。
画像 | 補修工事 | |
ひび割れ | ![]() | 割れ部分だけ補修する場合と全体を修理する場合あり |
チョーキング現象 | ![]() | 外壁塗装をして外壁を塗膜で保護する必要がある |
浮き・剥がれ | ![]() | ほとんどの場合に全体を修理することになる 外壁の張り替えも検討 |
ひび割れの補修費用
ひび割れを修理する場合でただ直すだけならば1万円でおつりがくる場合があります。
しかしながら、クラックの場所次第ではただ直すだけでは外観を損ねる場合が多く、塗装が必要になれば当然その分だけ費用は高くなります。
こちらでの例であげた画像では築年数が30年超ということと外観に目立つ場所でないこともあって塗装はしていません。
チョーキング現象の補修費用
チョーキング現象によって塗膜が劣化しているので、外壁塗装をする場合において、一般的な家(120立方メートル)において、50万円から160万円の開きがあります。
これは外壁塗装に利用する塗料の値段によるもので、基本的に高いものほど耐用年数が長く、総支払コスト面では耐用年数が高い塗料のほうが有利である場合がほとんどです。
なお、塗料の違いによる耐用年数については4年前後から20年超と開きが大きく、耐用年数が長いもののほうがトータルコストで有利な点としては、足場代や人件費が一度で済むことが理由です。
浮き・剥がれによる修理費用
浮きや剥がれによる場合には外壁の張り替えも検討しなければいけませんが、一般的な家(120立方メートル)において、150万円から200万円が目安です。
この目安というのは外壁塗装以上に開きが大きく、今ある家の外壁をはがしてそこに新しく外壁を付けるわけですがから、当然人件費もかかりますし技術も要求されます。
外壁自体も種類が多く、こだわればこだわるだけお金がかかりますが、外観自体は完全に新しくなることもあって、一部部分を除いて見た目は新築のようになります。
モルタル壁のメンテナンスを怠ることなく行えば高い工事をしなくても済むため、クラックや浮き・剥がれについては特に注意してみてほしいと思います。
以上、「モルタル壁の補修方法:DIYで出来るか劣化状況を確認!」でした。
参考にしてください。