コーキング打ち替えと単価・方法

コーキングの打ち替えはこの部分が劣化してくると行う必要がありますが、サイディングボード全体のメンテナンスとまとめられることが多いですね。

でもサイディングボードの塗装とコーキングでは、ほとんどの場合劣化時期が異なることをご存知ですか?

つまりは外壁塗装の塗料とコーキングは本来別で補修時期を考えていくべきなのです。

こちらでは、コーキング打ち替えの単価と、補修方法が2種類ありますのでその違いをみていきます。

コーキング打ち替えの単価

変成シリコンシーリング2

施工内容費用特徴
コーキング打ち替え1000円前後/メートルほとんどの外壁工事は打ち替え
コーキング増し打ち600円前後/メートル増し打ちを選択できる条件は限られる

まずコーキング打ち替えの単価ですが、1メートル単位では一般的に1000円前後で、施工長が200mの場合には20万円と足場代という形になります。

またコーキングの補修方法としては打ち替えのほかに「増し打ち」があり、名前の通り今あるコーキングの上にシーリング材を打つ方法です。

このコーキング増し打ちの単価ですが、1メートル単位では一般的に600円前後で、施工長が200mの場合には12万円と足場代という形になります。

以上より足場代を20万円として、コーキングの補修については、打ち替えが40万円ほど、増し打ちが30万円ほどを目安としてください。

コーキング部分の劣化状況を確認する

コーキング部分が劣化すればサイディングボードが割れてしまったり、内部にカビが生える、構造部分が腐ってしまうなど、早急に補修しなければいけませんが、それは劣化の程度を見てからということになりますね。

まずコーキングしたばかりではこのように光沢があったり、または外壁塗装の塗料でしっかりと守られている状況です。

きれいなコーキング

ここからまず紫外線や酸・塩による影響で硬化が進んでいきます。

ひびなど入れば分かりやすいのですが、実際には変色するなど影響が出て、サイディングボードの色次第では変色に気づきにくい場合があります。

 

とはいえ、まだ変色程度では特に問題が起きることは少ないですが、コーキングのひび割れが進んで来るとそろそろ補修を考えなければいけません。

コーキング塗膜切れで割れ

塗膜や表面に割れがあるがまだまだ軽度

割れがある状態というのは、表面の塗膜がなくなっているか、コーキングが硬くなっているか、もしくはいずれもという状況にあるので、ここから劣化が進んでいきます。

劣化したコーキング1

コーキングが硬化しているのが目で見てもわかる

ここまで来るとコーキングの補修時期であるのは誰の目からも明らかですね。

最終的には次のようにコーキングの役目である間を埋める機能が失われてしまいます。

劣化したコーキング2

ここまでくるとコーキングの防水効果は期待できない

ここまで来たらもう内部に雨水の侵入を許してしまうために、できる限り早くコーキングの補修をしなければいけません。

ちなみにこのまま放置しておくことで、窯業系サイディングボードであれば割れてしまったり、金属系サイディングボードであれば錆びてしまったりという状況になりますので、サイディングボード張り替えや重ね張りという200万円以上するような、さらに高い修理費用が必要になります。

反りが発生したサイディング

反りが発生すると多くの場合手遅れで簡単な補修方法が取れなくなる

さびた金属系サイディングボード1

金属系サイディングボードはさびてしまうと美観だけでなく耐久性も損なわれる

以上がコーキング劣化から起こるサイディングボードへの影響であり、家の寿命に大きな影響を与えるのみならず、補修・修理費用も大きくなりますので、コーキング劣化状況は今すぐ確認するようにしましょう。

DIYは安く済むがやめたほうが良い理由

シーリング材1

コーキングといえばただ間を埋めるだけだからDIYで出来そうな気がしますね。

外壁で無ければ、例えば風呂場の間を埋める程度であればDIYで出来る場合もありますが、外壁のコーキングはやめておいたほうが無難です。

というのも、外壁に打つコーキングは多少技術が必要であり、今の時代はインターネットで調べられるためにまねごとはできたとしても、すべてを完璧にすることは難しいことが理由です。

コーキング下手な作業1

下手なコーキングは外観を損ねるだけでは済まない

またコーキング部分の両側はテープで養生する必要がありますので、200メートルの外壁を養生するとなれば400メートル分もテープを張ってはがす必要があります。

タイルで表す養生例

小さなタイルでもこれだけ面倒です

また、家の外壁については1階だけなら良いですが、2階建てなら2階部分もしっかりやる必要があり、一つの部分がダメであれば他が完璧でも意味がないからです。

つまり、外壁のコーキングは全ての点で欠陥が許されないわけであり、その部分から雨漏りするならば結局内部に水が溜まってしまいます。

ちなみにコーキング打ち替えを自分でやる場合には相当労力がかかるので普通は増し打ちをするわけですが、その場合の費用は足場代抜きで5万円前後で済むことから、確かに安価ではありますが、その代償はどこかで払うことになるかもしれません。

ヘルメット2

高所では常に危険が伴います

2階部分などの補修は危険が伴いますが、自分でやってケガをした人ほど業者に頼めばよかったと言いますから、どうしても好奇心旺盛でやってみたい場合を除けばやめたほうが無難です。

シーリング材も種類と作業工程

変成シリコンシーリング3

どうしてもDIYでやりたいという方のためにシーリング材と作業工程についてお話ししておきます。

シーリング材は4種類あり、外壁に利用できるのは「変成シリコンシーリング」と「ウレタンシーリング」です。

 特徴
アクリルシーリング安価で外観が良いが耐久性が低く、ALC外壁で利用されるが最初だけ。
ウレタンシーリング汎用性が高いが紫外線に弱いため、上から塗装をするとよい。
変成シリコンシーリング紫外線に強いが塗装と密着性が悪く、新築時に利用される。
シリコンシーリングシーリング材の上に塗装ができないが、水回りで良く見る汎用性が高いシーリング材。

シリコンシーリング

簡単にまとめると、アクリルシーリングは耐久性が低いので使われず、シリコンシーリングは塗装との関係で利用されません。

ウレタンシーリング

塗装を前提とした場合にはウレタンシーリングが使われることが多く、新築時やコーキング打ち替えなどで塗装を前提としないならば変成シリコンシーリングが使われることが多いです。

ここだけでも素人にはちょっと面倒だと感じますが、工程を見るとさらに面倒であり、ただシーリング材を打つだけでないということが分かります。

まず打ち替えは今あるシーリングを除去しますが、これが非常に手間がかかり、さらにその後の処理も面倒が多いです。

実はただ打つだけでなく、サイディングボードの間部分には接着して、奥部分には接着しないようにボンドブレイカーというものを挟む必要があります。

さらにその裏にはバックアップ材を挟む必要があり、これを200メートルほどやるとしたら、結構な作業になってしまうはずです。

バックアップ剤1

ならば増し打ちならばよいのでは?と考えますが、実は増し打ちで解決できる条件はそれなりに難しく、ただシーリング材を盛ればよいわけではないのです。

また、先ほど話に出たテープの養生をしなければ、余分なシーリング材が残りますので外観上良くありません。

マスキングテープ2

こういった判断を素人が出来るかといえばそんなこともなく、結局DIYでやっても後になって業者に頼むことになるというのは、好奇心でやってみた人のほとんどではないでしょうか。

コーキング下手な打ち増し

このコーキングでもまだよくできているほうです

唯一DIYでやって良いのは元工務店にいた人だったり、家の耐用年数が迫っているので捨てるつもりでやる場合なら良いのかもしれません。

コーキングの打ち替えと増し打ちの違い

コーキングの打ち替えと増し打ちは違いは名前の通りなのですが、実際にはコーキングの補修といえばほとんどが打ち替えとなります。

というのも、増し打ちできる条件というのは限られていると言いましたが、コーキング材が足りないような状況で打てるというのが一番ベストな条件であり、家全体で適用できるかといえばなかなか難しいというのが増し打ちをおすすめしない理由です。

また増し打ちは根本的な解決にならない場合が多く、いずれかは打ち替えをしなければいけません。

そういったこともあって、費用が多少安いから増し打ちにしようと選択することは無いようにしたいものです。

コーキング打ち増し後

足りない部分に打ち増しをしてうまくいった例

家の耐用年数が迫っているので、建て替えまで数年しのぐ場合などでは良いとしても、そのような条件はなかなかありませんから、コーキング補修は打ち替えが基本的な選択です。

コーキング打ち替えは外壁塗装と同時に行うと得

最後にコーキングの打ち替えは足場代がかかる場合が多く、これに20万円もかかることに加えて、シーリング材の上から塗装することで耐久力アップも期待できることから、外壁塗装と同時に行うことが家の補修費用を節約するコツです。

ということは、家の外壁を超耐久の塗料を使ったとしても、結局コーキング部分が5年から10年で劣化するならば、この部分を合わせて行うほうがトータルのコストとしては安くなるということになります。

また、コーキング材も現在は超耐久のものが出てきていて、10年から15年の耐用年数のコーキング材を使えば、シリコン塗料などの耐用年数と近くなるので、家の補修サイクルをうまく合わせることができます。

このように足場代や業者の人件費などを節約することができるのは、家の補修タイミングを合わせて一気にやってもらうというのが総支払額の面で得ができます。

 

ただし、途中で見たようにコーキング劣化が目立つ場合には補修せずに放置することで、家の基礎部分やサイディングボードなどを痛めてしまいますので、この場合にはトータルコストなど考えている余裕はありません。

出来る限り早くコーキングの補修工事を行うことが望ましいと言えます。

まずはコーキングの劣化状況を確認してきてください。

以上、「コーキング打ち替えと単価・方法」でした。

お役立ていただければ幸いです。