外壁塗装に適した季節を待つことは基本的におすすめしません。
というのも、塗膜がなくなっているから明日家が壊れるということは無いとしても、塗装に適した季節まで待つということをする必要はないからです。
それでも家の修繕計画を考えるうえで重要という考え方もありますから、まずは外壁塗装に適した季節はいつなのかを見ていきましょう。
外壁塗装に適した季節は春と秋
外壁塗装に適した季節は春と秋で、その理由は塗料の乾燥に関わってくるからです。
外壁塗装をする場合、基本的には3度塗りをしますが、これらは乾いたうえで塗っていくために、塗料が乾かないときには作業が進まないことが分かります。
塗料が乾くためには次の条件が必要であり、塗料メーカーもこれらを守るように推奨しています。
塗料が乾かなければ塗装の工程が進まないと言いましたが、逆にこのような条件で塗装を進めるような業者は悪徳業者である可能性が高くなります。
塗膜の耐久性が悪くなるのは当然として、塗料のつやがなくなるなど外観上の欠点も目立ってきます。
業者としては工期を延長せずにさっさと作業を進めてしまいたいわけですが、品質を気にする優良業者ではしっかりと工期を遅らせて作業をしていきます。
話を戻すと塗料が乾きやすい条件が満たされやすいのは春と秋であるといえるでしょう。
外壁塗装にふさわしくない月は6月
逆に外壁塗装にふさわしくない月というのは梅雨時期の6月です。
雨が降ると当然塗装はできませんし、湿度も高くなりやすいので塗料が乾きにくくなります。
そのため、せっかく作業を進めようとしても雨が降りやすい6月では、外壁塗装にあまり適していないというわけです。
外壁塗装をする場合には雨が降っている状況で行うことはできません。
日本の気候では3日に1回、雨が降るような割合であり、これが若干崩れる梅雨時期においては外壁塗装をするのに適していない時期ということができるでしょう。
業者によって若干ながら基準は異なりますが、外壁塗装で使う塗料の関係上、塗り作業については温度が5度以下・湿度が85%以上では作業をしません。
気温においては日中に作業をすることを考えれば、寒冷地を除くほとんどの場所では5度を超えますので、1年中問題なく外壁塗装の工事ができます。
また湿度においても夏場において高くなるケースはありますが、雨でも降らない限り日中は作業中止基準以下になるでしょう。
↓例:ヤフー天気より夏場の湿度予報↓
以上より、外壁塗装に適した時期は、梅雨時期と夏場の雨上がり、寒冷地の低温を考えれば、3月から5月の春口、10月から12月の秋口が適しているといえます。
気温が5度以下・湿度が85%以上で塗り作業をしない理由
外壁塗装をする場合には、気温が5度以下で湿度が85%以上では塗り作業をしません。
これは塗料を乾かす必要があるためです。
外壁塗装に使われる塗料の中には、家の保護成分や色成分などが含有されていて、これが乾いて塗膜になることで、塗料の効果が発揮できるわけです。
しかしながら、塗膜を形成するために乾かなければ作業が進みませんよね。
さらに外壁塗装は3度塗りが基本ですから、前2回分が乾かないということは、次の作業に進むことができないことが分かります。
つまり、外壁塗装の塗り作業をする上で気温や湿度の制限があるのは、塗料の乾燥によるところが影響していて、良心的な業者であれば作業工程を遅らせてでも、こういった作業不適な日に塗り工事を行わないということになります。
忙しくない時期に受注で値引きも期待できるが・・・
外壁塗装業者は出来る限り忙しい時期と閑散期をうまく調整したいと考えていて、閑散期には工事を受注しやすくするために、値引きなどを狙いやすくなります。
ただし、6月に作業をしづらいという話はしましたが、実際には一年を通して雨が降るときは降りますから、閑散期を狙って外壁塗装工事を依頼するということは難しい現状があります。
また、6月前に受注した工事があったとして、雨によって延期をしている場合には、当然工事はできませんが施工しなければいけない工事はたまっていますから、閑散期というわけではありません。
むしろ6月前後を閑散期としている業者は、多少雨が降っていたり湿度が高くても作業を進めるような業者ですから、あまり良い業者と言えないかもしれませんしね。
結論として閑散期に外壁塗装工事を依頼すれば多少の値引きは期待できるとしても、これを狙って依頼することは難しいのであまり気にする必要はありません。
外壁塗装をすべき年数・期間
次に外壁塗装をすべき年数や期間は、外壁の素材と塗料の種類、また立地によって変わってきます。
まず外壁の素材ですが、木材など塗膜が切れることで浸水しやすい素材は基本的に外壁塗装をすべき年数が短く、樹脂系サイディングボードの場合にはコーキングを利用しない場合に、他の外壁と比べ物にならないほどの耐用年数となっています。
外壁塗装をすべき年数について表にまとめて比較できるようにしましたので、メンテナンス計画の期間を考えるうえで参考にしてください。
外壁の種類による補修すべき年数
画像 | 耐用年数 | |
モルタル壁 | ![]() | 5年から10年 |
窯業系サイディング | ![]() | 10年前後 |
樹脂系サイディング | ![]() | 10年以上 |
木質系サイディング | ![]() | 5年から10年 |
コーキング | ![]() | 5年から10年 |
コーキングは外壁の一部で、一部の樹脂系サイディングボードを除くサイディング系の外壁のつなぎ目です。
この部分の劣化は外壁とは異なるスピードで劣化する場合が多く、外壁材としては副次的なものですが、こちらで比較表に載せています。
塗料の種類による補修すべき年数
種類 | 耐用年数 | 単価目安(平米) |
---|---|---|
アクリル | 6年から8年 | 1500円 |
ウレタン | 8年から10年 | 2500円 |
シリコン | 10年から15年 | 2800円 |
ラジカル | 12年から15年 | 3000円 |
フッ素 | 15年から20年 | 3500円 |
遮熱 | 15年から20年 | 3800円 |
光触媒 | 15年から20年 | 4000円 |
無機 | 20年から25年 | 4500円 |
現在の主流はシリコン系塗料であり、数や機能など汎用性が高いです。
また、アクリル系塗料やウレタン系塗料については現在あまり使われておらず、フッ素系塗料も値段の兼ね合いからまだまだ利用は少ないのが現状です。
一見するとフッ素系塗料が耐用年数が長くて有利に見えますが、実際そんなに簡単なものではありません。
次に見るのは耐用年数が長い塗料を使った場合に、トータルコストを考えていくうえで重要な点です。
耐用年数が長い塗料を使う場合の注意点
基本的に塗料は耐用年数が長いほど価格が高くなっていきますが、トータルコストでは耐用年数が長いもののほうが有利であることが多く、いわゆるコスパの面でシリコン系塗料が有利です。
このことはコーキング部分の補修も含めて考えると納得することで、塗装をするときに足場代がそれぞれかかりますが、コーキングや屋根の塗装を外壁と同時に行うことで、費用の節約をすることができるわけです。
つまり、耐用年数が短すぎるのは損である場合が多いですが、長い塗料を使ったとしてもそれ以外の部分で補修が必要であれば、結局トータルコストでは不利になってしまう場合が多いのです。
したがって、家の外壁などのメンテナンスは時期をあわせて行うべきであり、その点は業者に相談することで一番良い回答が得られるでしょう。
外壁塗装は梅雨以外だいたいOK!
ここまで見てきたように梅雨以外の時期ならば問題なく外壁塗装ができますし、梅雨であっても依頼自体はしてもよいのではないかと思います。
というのも、実際に塗装をしていく前に外壁の汚れを落としたり、また見積もりなどすべき点は多くあります。
そのため、今ここで塗装をしている状況というならばまだしも、塗装以外にもしなければいけないことがありますので、わざわざ家の修繕時期を遅らせるということはする必要がないのです。
あわせて、閑散期に外壁塗装工事を依頼するとよいという話をしましたが、これについても運が良ければ安くなる程度で考えておくべきでしょう。
無理に修繕を遅らせる理由にはなりませんし、工事受注を探している業者で値引きを受けたいならば、何社かに見積もりを取ってその中で費用優先で決めればよいのではないでしょうか。
以上、「外壁塗装に適した季節とふさわしくない月」でした。
お役立ていただければ幸いです。