屋根の種類によって違う塗料の選び方【コスパでシリコンがおすすめ!】

屋根の塗料を選ぶときに重要なのはなんといっても耐用年数、そして付加機能ですね。

最近は遮熱・断熱機能がある屋根塗料が人気で、塗り替えをするならこれらの塗料を選ばれる機会も多くなりました。

ただし、耐用年数については長いものが総コストで有利なのは間違いありませんが、それだけで選んではいけないことを知っていますか?

こちらでは、屋根塗料の種類を総支払価格でみていきます。

屋根塗料の種類と効果

屋根塗料の種類は樹脂によって耐用年数が異なり、主に次のような区分で分けることができます。

種類耐用年数単価目安(平米)
アクリル3年から5年1500円
ウレタン5年から7年2300円
シリコン7年から10年2500円
ラジカル8年から12年2800円
フッ素10年から15年3000円
遮熱10年から15年3100円
無機12年から15年3500円

ここでは樹脂による分類であるため、光触媒や断熱・遮熱は除外していますが、価格や耐用年数はフッ素系塗料に近いです。

ここで挙げた塗料のうち、アクリル系塗料とウレタン系塗料は現在あまり使われることはありません。

その理由は外壁に比べて雨風にさらされやすい屋根は、ただでさえ耐久力が必要な塗料を塗っていかなければいけませんが、そういった需要に耐用年数の面で応えることができないからです。

ウレタン系塗料の場合には現在でも多少使われることはありますが、シリコン系塗料の価格が手ごろになっている現在、あまり使われないというのが現状です。

総支払価格では耐用年数が長いほうが有利だが・・・

屋根塗料については耐用年数が長いほうが良いということで話してきましたが、実際には耐用年数だけで選ぶことは望ましくありません。

 

もちろん、総コストを考えると耐用年数が長いほうが足場代なども節約できるので有利なのですが、実は屋根の材質による違いや、屋根以外の部分が劣化した場合には、結局その部分について修理しなければいけないからです。

つまり、家修繕のタイミングを合わせないとそのたびに足場代などのコストがかかりますから、無駄に支出が発生するということです。

 

屋根については劣化が外壁などよりも早いこともありますので、高耐久塗料を利用するのは良いことですが、この点は家ごとに個性がありますから外壁塗装業者と相談して決めるのが一番良いでしょう。

屋根の種類と塗料の選択

ここまで見てきたように塗料の耐用年数も違いがありますが、屋根の材質によっても変わってきます。

古い家の典型になるトタン屋根は耐用年数は短めですが、意外に瓦屋根は耐久性が高いという具合です。

近年はスレート屋根がメインになってきていますが、塗膜が切れることで劣化が進みやすかったりするので、こちらは定期的なメンテナンスが必要です。

それぞれの屋根材についてみていきます。

スレート屋根(コロニアル)の塗料選び

外壁塗装後のスレート屋根1

スレート屋根は定期的なメンテナンスが必要な屋根で、高耐久の塗料を塗っても安心できません。

というのも、屋根は劣化が早いということもあって、スレート屋根の先部分から徐々に劣化が始まるからです。

劣化したスレート屋根3

上の図は決して珍しい状況ではなく、地域を見て回るとすぐにこのような屋根を発見することができます。

もちろん高耐久塗料を塗ることは悪くありませんが、損傷状況が早い可能性があることを考えるとおすすめはシリコン系です。

トタン・金属屋根の塗料選び

銅板の屋根1

金属系の屋根は古くはトタン屋根、最近はステンレス合板やガルバリウム鋼板など、様々な種類が出てきました。

いずれにしても金属なのでさびやすく、特に塗膜が切れることは屋根自体の寿命を大きく減らすことになります。

劣化したガルバリウム屋根1

また、金属屋根は薄くて軽いことが特長なのですが、薄いことから物理的な損傷に弱く、すぐにへこみなどが生じてしまいます。

こういったこともあって、金属系の屋根のメンテナンスサイクルは短くしたほうが良く、こちらもおすすめはシリコン系の塗料です。

瓦屋根の塗料選び

かわら屋根2

意外に高耐久なのが瓦屋根で、高耐久であれば高い耐用年数の塗料を利用したいところです。

ただし、こちらでは付帯部についても考えなければいけません。

軒天裏塗装剥がれ2

特に古い建物では付帯部は耐用年数が高い素材が使われていない場合が多く、屋根の塗料は高耐久でもその周りのメンテナンスサイクルが早いなんてこともあります。

この点の話は後に詳しくしますが、新しい建物で付帯部のメンテナンスもそれなりに長い耐用年数であれば、フッ素などの塗料もよいのではないかと考えています。

ただ、安定をとるのであればやはりシリコン系の塗料がおすすめです。

劣化した瓦屋根1

なお、上のように意外に古く見える瓦屋根でも他の屋根と違い機能しているからすごいものです。

付帯部分のメンテナンス時期も考える

雨どい破損

外壁や屋根について耐用年数のある塗料を選ぶというのはよく考えられることですが、意外に見落としがちなのは付帯部分の塗装です。

当たり前ですが付帯部分も劣化が進めばその部分をメンテナンスする必要がありますよね。

そうなってくるとその部分だけ補修できるのか、それとも足場を組んで大掛かりな補修になるのかで、補修費用が大きく変わってきます。

塗装された雨どい

つまり、屋根や外壁が高耐久塗料を塗ったとしても、付帯部分も併せてみていかないといけないというわけです。

これについては家の構造がそれぞれ違うので一つの答えは出しにくいのですが、こういったメンテナンスサイクルを相談できる外壁塗装業者を探すことが、総コストを節約することや家の資産価値を維持することに役立ちます。

屋根塗料ではシリコンがおすすめ

ここまで見てきたように屋根塗料もシリコン系がおすすめで、外壁とのメンテナンスサイクル次第ではフッ素など高耐久の塗料を使うこともよいでしょう。

とはいえ、屋根部分は損傷や劣化も外壁より大きく、付帯部分との兼ね合いもあって長すぎる耐用年数が無駄になってしまうことも少なくありません。

こういったことも考えると定期的なメンテナンスという考えもあって、光触媒や断熱・遮熱機能も期待できるシリコン系塗料を使っていくのが賢い方法でしょう。

ある意味では、屋根と外壁、その付帯部のメンテナンスサイクルを相談できる業者が良い塗装会社であると考えていますので、見積もりの際にはその点を言ったうえで考えてもらうことが望ましいです。

良い塗装業者とは数十年の付き合いになる可能性もありますから、特に最初ほどしっかりと見定める必要がありますね。

以上、「屋根塗料の種類:おすすめなのはどれ?」でした。

お役立ていただければ幸いです。