外壁塗装の塗装については100万円前後の支出がある工事になりますので、できればお金を払いたくないという考え方があります。
しかしながら、外壁塗装を怠ることによって家の寿命が減ることも事実で、やりたくないけどやらなければいけないのが外壁関連のメンテナンスですね。
こちらでは、外壁の劣化状況を見て外壁塗装が必要ないのかを写真で確認できますので、あなたの家についてもそれを参考に考えてみてください。
外壁塗装が必要ないかの判断基準
外壁塗装が必要ないかどうかは、家のメンテナンス状況に加えて、外壁の材質と塗料の種類によって変わってきます。
家のリフォームなどでよく言われるのは10年サイクルでメンテナンスしなければいけないということを聞きますが、必ずしもその年数が当てはまることはないのです。
こちらでは、次の3つについて劣化状況を見ながら、外壁塗装が必要なのかどうかを確認できます。
- 外壁自体
- 塗膜切れ
- コーキング
外壁自体はモルタルなどの塗り壁とサイディングボードを利用している壁によって劣化状況が変わってきます。
またそれによって塗膜切れの症状や耐用年数、使われる塗料も若干変わってきますから、外壁自体を分けて考えたうえでみていきます。
外壁自体の劣化状況
外壁の種類は塗り壁とサイディングボードで分かれます。
昔の家ではモルタル壁が一般的でしたが、近年ではサイディングボードを利用した壁が一般的になり、さらにサイディングボードでも窯業系サイディングボードというものが全体の7割前後を占めています。
昔は一般的だったモルタル壁
現在の主流:窯業系サイディングボード
そのため、こちらでは塗り壁の劣化についてはモルタル壁、サイディングボードの劣化についても窯業系サイディングボードを中心に話していきます。
それぞれについて分けてみていきます。
モルタル壁の劣化はひび割れ
まず塗り壁の代表であるモルタルの劣化は何といってもひび割れです。
ただし、モルタル壁についてはどうしてもひび割れが発生してしまう壁であり、ひび割れの程度が小さい場合には特に心配する必要はありません。
大きくないひび割れは基本的に問題なし
モルタル壁のひび割れ程度については、小さいものはヘアクラックといって内部まで水が浸透するようなものではありませんから、それほど気にすることはないのです。
ただ、名刺などの厚紙がそのまま入るようなひび割れについては注意が必要で、このようなときには早いうちに外壁塗装や補修をする必要があります。
サイディングボードの劣化は塗膜切れ
窯業系サイディングボードは低価格で品質が画一的であり、外壁の材質として優れているのですが、材質の水の浸透については塗料の塗膜とつなぎ目であるコーキング頼りとなっています。
そのため、塗膜切れやコーキングの劣化がそのまま外壁の劣化につながるというわけです。
もちろんサイディングボードの奥に水が少し浸透したからといって、すぐに問題が起こるようなことはありませんが、サイディングボード自体の伸縮によって割れてしまったり、反ってしまうことによって外壁自体の張り替えが必要になるケースもあります。
反りが発生しているので補修できない場合は外壁の交換が必要になる
外壁塗装の費用としては100万円前後で済むのに、外壁の張り替えになれば200万円から300万円の支出も覚悟する必要があります。
塗膜切れのサインはチョーキング現象
モルタル壁にしてもサイディングボード壁にしても、塗膜切れの判断自体は難しくなく、触ってみてチョーク粉のようなものが付いていたら、塗膜がなくなって塗料の成分が外に出始めているサインです。
このチョーキング現象が確認できた場合には、外壁塗装を考える機会であり、この状態で外壁塗装が必要ないかどうか考える余地はありません。
モルタル壁にしてもサイディングボード壁にしても、内部に水が継続的に浸透することによって、構造部分が腐ってしまったりカビが生えてしまったりと、修理自体が高く付く可能性がありますので、それを防ぐための外壁塗装ですので、ここで修理しないというのは家を使い捨てにする覚悟をしなければなりません。
家の外壁にチョーキング現象が確認できたなら、外壁塗装をしなければいけない時期ということのサインと考えればよいでしょう。
コーキングが最も劣化が早い
モルタル壁の場合には、窓などの一部の建材をつなぐ部分となっていますが、サイディングボード壁であるならば壁の一部に利用されているつなぎ目がコーキング部分です。
特に窯業系サイディングボードの場合には、コーキング部分がむき出しになっていることもあって、劣化が早いのが特徴です。
最近は10年以上の耐用年数を想定したシーリング材(コーキング部分の材料)も出ていますが、そういった耐用年数が長いものを使っても、やはりむき出しの樹脂であることで、外壁よりも劣化が早くなる可能性があります。
せっかく壁の塗膜があったとしても、そのつなぎ目から水が浸水してしまうのでは意味がありません。
特にサイディングボードの場合にはコーキング部分は多いこともあって、コーキング部分も壁と一部であり、そのメンテナンスをしなければ壁の維持はできないと考えてください。
劣化についてはひび割れが一番分かりやすいですが、紫外線による影響でコーキング部分が硬化することでひび割れ以外にも剥離(はくり)など目に見えてわかる劣化が起こります。
この場合、外壁塗装は後に行うとしても、コーキング部分の打ち替えなど、一部のメンテナンスをしなければいけない状況もあります。
当然、外壁塗装をするよりは安く済むわけですが、劣化が進んでいるのに外壁塗装まで待つようなことは無いようにしてください。
なお、コーキング部分の打ち替えなどについては、20万円から40万円が相場となっています。
屋根の劣化も見ておく
コーキング部分が劣化していて外壁の塗装まで放置しておく危険性について言いましたが、その考え方自体は正しいもので、足場や人件費を考えると一緒に出来るリフォーム工事は同時に行うべきです。
そうすることによって、足場代や人件費などについていくらか節約することが可能で、賢く家の補修を進めていくことが可能になるのです。
このことは外壁塗装と屋根塗装を同時に行うで費用を節約できるわけですが、重要なのは外壁塗装や屋根塗装をする場合に、耐用年数を出来る限り合わせられるようにしなければいけません。
外壁よりも屋根のほうが雨風を多く受ける分だけ劣化が早いために、塗料の耐用年数を外壁よりも長いものを使っておくということで、それぞれのメンテナンス時期を調整することが可能になります。
もちろん、すでにどちらかが劣化していて工事を待つようなことはしてはいけませんが、家の補修計画は中長期的に考えることで、トータルコストの面で有利になるということでした。
外壁塗装が必要ないかは劣化状況で考える
最後に外壁塗装が必要かどうかは、あなたの家の劣化状況を確認したうえで決めてください。
外壁の劣化状況としてこちらで話したのは、外壁の塗膜切れによる「チョーキング現象」、「コーキングの硬化による劣化」、モルタル壁の場合には「ひび割れの大きさ」ということになります。
日本家屋は木造であるため、外壁自体は家の基礎部分を守るためについていることが多く、外壁を守ることに塗料などが役立っています。
塗料などが劣化することで、外壁自体にダメージが及び、外壁が劣化することで家の基礎部分にダメージが及びます。
それぞれ劣化が中心部分になればなるほど、メンテナンスコストが高くなるのは言うまでもありませんね。
外壁塗装が必要ないかどうかは、まずは外壁の劣化状況を確認して、よくわからない場合やチョーキング現象、コーキングの劣化が進んでいる場合には、業者に見てもらうようにしてくださいね。
以上、「外壁塗装をしない選択:必要なしか画像で確認できます」でした。
お役立ていただければ幸いです。