「サイディングボードに塗装は必要ですか?」という質問がありますが、これは家の寿命を縮める大変な勘違いです!
確かに一部の樹脂系サイディングボードでは、メンテナンス期間が相当長く取れるので、塗装が必要ないように思えますが、実際には樹脂系サイディングボードでも塗装が必要です。
こちらでは、サイディングに塗装がなぜ必要なのかをみていきたいと思います。
サイディングは再塗装が必要!
サイディングボードの材質で、現在シェアの7割使われている窯業系サイディングボードには、外壁自体に防水の機能がありません。
そのため、外壁の防水については塗料の塗膜に頼っていることになります。
そしてサイディングには塗装がされていないように見えますが、実際にはクリア塗装がされています。
つまりは、サイディングに塗装は必要であり、塗膜が劣化してきた場合には必ず再塗装する必要があるということです。
再塗装をしなければいけない症状
サイディングは塗装が必要であり、それがなくなると浸水などの被害があるということでした。
ではどれぐらいで再塗装しなければいけないかというと、世間一般には10年と言われていますが、これは目安であり使う塗料や家の環境によって異なります。
塗料でいえば耐用年数が長い塗料を使うことで20年超の耐久も可能ですが、実際にはもっと短い期間で対処することになります。
また環境については台風が多いことや海側の家であること、また降雪地帯であれば劣化が早くなります。
塗膜切れを示すサインとしては、外壁に手で触ってみたときに、チョークの粉のようなものが付く現象があります。
これをチョーキング現象といい、塗膜がなくなって塗料の成分が外に出ているサインなのです。
つまり、チョーキング現象が確認できたときには、サイディングの塗装が必要であるということなのです。
実は劣化が早いつなぎ目部分(コーキング)
またサイディングは樹脂系サイディングボードの一部を除けば、それぞれのサイディングボード間のつなぎ目があり、この部分が劣化することで外壁のメンテナンスをしなければいけません。
塗装とは異なりますが、つなぎ目も外壁の一部と考えると、この点もしっかりと確認する必要があるでしょう。
というのも、外壁の塗膜があったとしてもつなぎ目から浸水すれば、外壁の状態を保つことを考えると意味がありません。
そういったことで外壁の塗膜もそうですが、コーキング部分の劣化も見る必要があります。
直張り工法の場合には張り替えをしなければならない!
サイディングが使われ始めた2000年よりも前に施工された家の場合には、直張り工法という方法がとられている可能性があります。
この直張り工法ではサイディングと家の構造部分との間に胴縁(どうぶち)がないために、適切な排水ができずに湿気がこもってしまうという、ある種の欠陥構造となっているのです。
直張り工法の構造である場合にはサイディングボードを張り替えるしかできず、塗装による安価なメンテナンスをとることができません。
これは素人が見ても分かりづらいために、実際に業者に見てもらうほうが確実でしょう。
劣化でクリアが使いづらくなる理由
サイディングに塗装をする場合でもサイディング自体のデザインが気に入っている場合、クリア塗装をすることになりますが、劣化した場合にはそれを利用することができなくなります。
タイル調の上から塗装することで、そのデザインが損なわれるということです。
これはこれで味があるといえばそうですが、せっかくデザインで選んだサイディングを使えないとなれば、確かに残念ではありますよね。
こういったことにならないように、塗膜切れが起こる前にサイディングの塗装を検討することが望ましいと言えます。
チョーキング現象が確認できるような場合には注意してください。
サイディングには塗装が絶対に必要
ここまで見てきたように、特に窯業系サイディングボードでは塗装をしなければ、外壁自体が水分を吸収してしまうために、サイディングのみならず構造部分まで劣化が進んでしまいます。
構造部分を守るためにサイディングがあり、サイディングを守るために塗装があると考えれば、本来は塗装だけで済むメンテナンスが、サイディングの張り替えや家の建て替えまで考えなければいけません。

中央のサイディング右下部分が反っている
この例のように湿気によって反ってしまったサイディングは、補修ができなければ張り替えを検討しなければいけません。

サイディングの一部に割れが生じている
また水分を持っていることで伸縮したサイディングは割れることがあり、こちらも補修ができなければ張り替えを検討しなければいけません。
そのため、サイディングの劣化には注意しなければならず、当然としてサイディングには塗装が必要となります。
あわせてサイディングのつなぎ目部分も劣化していないかを確認したうえで、家のメンテナンスをしていくようにしましょう。

コーキングが硬化してひび割れが起こっている
家のメンテナンス時期を間違えなければと後で後悔しても、出ていくのはお金が失うのは家ですので、まずはサイディングが劣化していないかを確認してみてください。
お役立ていただければ幸いです。