外壁のひび割れから雨漏りするか写真で確認

日本は地震が多いこともあって外壁のひび割れが発生しやすいものですが、特に大きく目立ったひび割れの場合には雨漏りしているのではないかと不安ですよね。

実は小さなひび割れについては、雨漏りをそれほど心配する必要はありません。

しかしながらこのまま放置しても良いものかということで、こちらでは写真によってひび割れの程度を確認して、外壁から雨漏りしているかの判断に使ってください。

なお、このページではモルタル壁についてお話ししていますが、サイディングやコーキング(サイディングボードのつなぎ目部分)のひび割れについては、次のページで詳しく解説していますので、そちらを見たい方は対応するページを確認してください。

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外壁のひび割れから雨漏りするかは大きさで判断

外壁のひび割れから雨漏りするかどうかは、ひび割れ自体の大きさで判断するというのが、最も簡単な方法です。

一般にヘアクラックと構造クラックとがありますが、ヘアクラックの場合には雨漏りの心配がないひび割れで、構造クラックの場合には雨漏りの可能性があるひび割れです。

それぞれどんなものかを見ていきます。

ヘアクラックとは

モルタルヘアクラック3

ヘアクラックとは軽微なひび割れであり、幅0.3㎜以下、深さ4㎜以下のひび割れです。

ヘアクラックの場合にはほとんどの場合に雨漏りの心配はありません。

基本的には現時点ではすぐに何か問題が生じるということはありませんが、このひび割れが大きくなってきた場合には雨漏りの可能性が出てきますので、今後の経過を見ていく必要があります。

なお、ひび割れの深さについては測ることができませんし、4㎜以下といわれてもあまり想像ができませんから、ひび割れの程度については基本的には幅で考えることになります。

構造クラックとは

モルタル壁構造クラック

構造クラックとは軽微でないひび割れであり、幅が0.3㎜以上、深さが5㎜以上のひび割れです。

構造クラックの場合には雨漏りの発生について検討しなければいけません。

ただし明日家がいきなり倒壊するということはほとんどありませんし、近所でもひび割れによる雨漏りでいきなり家が倒壊したという話は聞いたことがありませんよね。

そのため、訪問販売や無料点検商法によってひび割れが指摘されたとしても、慌てることなく対応することができますので安心してください。

ただ、ずっと放置することは家の寿命を短くしてしまうばかりか、雨漏りによって生活にも影響を与えますので、構造クラックがある場合には放置することが無いようにしてください。

外壁のひび割れを修理するための費用

モルタル壁クラック補修1

2011年の地震によって起こったひび割れを修復した跡

外壁のひび割れを修理する場合にはそれなりの費用が掛かると思いますが、一部のみであればそれほど高額な費用になることはまれです。

金額にして10万円から20万円で済む場合も多いですが、全面的な雨漏り補修となれば200万円から300万円と高額になるケースもあります。

また散水調査といって実際に雨漏りしているかどうかを調べるだけでも5万円から10万円かかることもあり、場合によっては散水調査のほうが高く付く場合すらあります。

修理方法としては、サンダーという円盤状の削り取る機材を使ってひび割れを大きくした後に、シーリング材という詰め物を入れるという作業になります。

グラインダー1

サンダーとも呼ばれるグラインダーという機器

また程度が酷い場合や全面的な改修になればモルタルを再度作り直す場合や外壁の張り直しなどをする必要があるため、200万円から300万円という高額な修理費用になるのです。

変成シリコンシーリング3

一本1000円以下で入手できるがただ埋めればよいというものではない

またひび割れにシーリング材を詰めればよいというわけではなく、DIYで行えば高くても数万円で済みそうですが、実際にはそれほど簡単に出来るものではありませんから、高額な修理費用になる前にプロに診断してもらったほうが家の維持や後の修理費用を考えると望ましいと言えます。

雨漏りがよく起こる箇所は窓などの上にあるひび割れ

亀裂が入ったモルタル壁

窓や雨戸の上にあるひび割れは雨漏りの危険性が高まる!

ひび割れの程度についてはわかってもらえたと思いますが、窓などの構造物がある場合、その周囲からひび割れが良く発生しているはずで、あなたの建物もそうではありませんか?

雨水を切る関係上はこの周囲から雨漏りすることが多いわけですが、とりわけ気にしたいのは上部分のひび割れです。

下部分については建物の構造部分に入ったとしても2次防水といって、壁の中部分の防水シートなどで防げるわけですが、窓の上から雨漏りした場合にはすぐに家の中に影響が発生する場合があります。

もちろん、それを考えて施工されている場合がほとんどですから問題はそうそう起こらないのですが、逆に問題が起こったときに大雨などがあれば、部屋中水浸しになるなんてこともあり得る話です。

そういうわけで、窓やサッシの上部分にある構造クラックについては特に注意が必要ということになります。

モルタル壁ではひび割れは当然のように起こる

モルタル壁では性質上どうしてもひび割れが起こってしまいます。

つまり、モルタル壁を利用する場合にひび割れがあること自体問題ではないのです。

こちらで説明した内容のまとめになりますが、ひび割れの大きさとひび割れしている箇所が問題であり、それによっては雨漏りをする可能性があります。

そのため、ひび割れについてはすぐに問題が起こるということはほとんどありませんが、常にひび割れの程度については確認しておく必要があるのです。

外壁のひび割れからカビなどが見えたら雨漏りサイン

モルタル壁構造クラック3

最後に外壁のひび割れからカビなど日常的に雨風にさらされているサインが見えた場合には、内部に水が溜まっている可能性が高いと判断してもよいでしょう。

ひび割れは汚れが入りやすいために、ただ汚れているだけのケースもありますが、カビなどの場合には徐々に広がってくるという性質がありますので、日常的にひび割れを見ていたらカビだった!という場合は、早急な外壁の修理が必要になります。

その場合においてもいきなり家が倒壊するようなことはほとんどありませんから、外壁工事契約を急がせるような脅しには乗らないように気を付けてくださいね。

そもそも、家が倒壊するようなひび割れであればその前に住居内部にも水の浸水がありますから、きが付かないということはほとんどないでしょう^^;

契約を急かすような業者はどうしても工事契約が高くなりがちですから、適切な費用で修理できる業者を落ち着いて探すようにしてください。

以上、「外壁のひび割れから雨漏りするか写真で確認」でした。

お役立ていただければ幸いです。